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クラウドファンディングで大成功した国内プロジェクト10選を徹底紹介!ジャンル別に見る支援額と成功要因

クラウドファンディングは今や日本でも多くのプロジェクトで活用され、新商品開発から地域活性化まで様々な成功事例が生まれています。国内最大手のCAMPFIREでは2023年だけで1万件以上のプロジェクトが実施されるほど盛り上がりを見せました。

本記事では、ジャンルを問わず国内で特に注目を集め、大きな成果を収めたクラウドファンディング成功例10選をご紹介。それぞれの支援総額や達成率、支援者数といった数字はもちろん、成功した理由や注目ポイントについても解説します。

1. ゲーム愛が繋いだ大プロジェクト(ゲーム開発)

Screenshot 78
引用:CAMPFIRE

『マジカミ』オフライン版PCゲームリリース&メインシナリオ完結プロジェクト

サービス終了が決まったオンラインゲーム『マジカミ』の物語完結を目指したクラウドファンディングは、最終的に支援総額1億4382万8442円(目標5500万円の261%)・支援者5662人を集め大成功しました。

運営チーム「MGCM_official」によるこのプロジェクトは、2023年9月28日から11月26日までCAMPFIREで実施され、4年間プレイしてきたファンと運営が一丸となって未完のゲームの物語を完結させることが目的でした。

ファンの熱意に応える形でクラウドファンディングを通じてシナリオ完結とオフライン版制作が実現し、ゲームへの思い出を最高の形で締めくくることができたことが成功の要因です。

支援総額1億4,382万8,442円
目標金額5,500万円
達成率261%
支援者数5,662人
実施時期2023年9月28日~11月26日
プラットフォームCAMPFIRE

2. 女性に勇気を与えた出版プロジェクト(書籍出版)

Screenshot 79
引用:CAMPFIRE

日本社会のお金の呪いを解く!10万人の女性に「お金の真実」を届けたい!

経営コンサルタントで作家の小田桐あさぎさんが主催した書籍出版プロジェクトです。2023年7月1日から7月31日にCAMPFIREで実施され、支援総額1億2562万8422円(目標4000万円の約314%)を達成し、2388人もの支援者を集めました。

女性に向けた「お金の真実」を伝える本の出版を目指したもので、CAMPFIREの書籍カテゴリ歴代1位の記録更新となる大成功を収めています。

公開期間中は毎日ライブ配信を行うなど熱心なファンコミュニティづくりに努めたことが成功のポイントであり、支援者との強い繋がりが目標達成率300%超えにつながりました。

支援総額1億2,562万8,422円
目標金額4,000万円
達成率314%
支援者数2,388人
実施時期2023年7月1日~7月31日
プラットフォームCAMPFIRE

3. ファンの熱量が支えたVtuber 3D化(音楽・バーチャル)

Screenshot 80
引用:CAMPFIRE

凪乃ましろ 3D化プロジェクト【Vsinger/Vtuber】

バーチャルシンガー・Vtuberの凪乃ましろさんによる3Dモデル制作プロジェクトです。2023年7月29日から9月30日にCAMPFIREで実施され、支援総額3369万5046円(目標500万円の約674%)・支援者1324人を集めて成功しました。

開始わずか3分で目標金額を達成するほどの人気ぶりで、途中からストレッチゴール(追加目標)を設定しながら支援募集を継続。

リターン品のペンライトデザインを支援者と一緒に考える配信企画を行うなど、ファン参加型の盛り上げ施策が功を奏し、大きな支援額とファンの熱量を生み出しました。

支援総額3,369万5,046円
目標金額500万円
達成率674%
支援者数1,324人
実施時期2023年7月29日~9月30日
プラットフォームCAMPFIRE

4. 終わらせたくない!ファンと運営の奇跡(ゲーム開発)

Screenshot 81
引用:CAMPFIRE

『東方ダンマクカグラ』スタンドアローン版リビルドプロジェクト

人気スマホゲーム『東方ダンマクカグラ』のサービス終了を惜しんだファン有志と公式が協力し、単独で遊べるスタンドアローン版を開発するためのプロジェクトです。2022年11月4日から2023年1月9日にかけてCAMPFIREで実施され、支援総額1億9327万7283円・支援者6995人に上る国内トップクラスの支援を集めました。

運営会社「unknown X」はファンの熱い要望を受けてプロジェクトを立ち上げ、「このままでは終われない!」という皆の思いが新作開発への後押しとなったことが成功の決め手となりました。

ゲーム存続を願う強い熱量が約7000人の支援者を動かし、目標額を大きく上回る資金調達につながった好例です。

支援総額1億9,327万7,283円
目標金額1,500万円
達成率1,288%
支援者数6,995人
実施時期2022年11月4日~2023年1月9日
プラットフォームCAMPFIRE

5. 地域の未来を切り開く宿泊施設(地域活性化)

Screenshot 82
引用:CAMPFIRE

北海道上川町「泊まれる複合施設 ANSHINDO」建設プロジェクト

北海道上川町で地域おこしに取り組む団体「Earth Friends Camp」によるまちづくりプロジェクトです。2023年10月25日から11月30日にCAMPFIREで実施され、支援総額370万1023円・支援者247人を集め、目標金額を達成しました。

廃校を活用した宿泊できる複合施設「ANSHINDO」を建設し、「この町を訪れる人にとって推しのまちにしたい」という思いで始まったプロジェクトです。

地元の地域おこし協力隊メンバーらがSNS発信などで熱心に呼びかけ、地域に根差した熱意ある取り組みが共感を呼び、同様の課題に直面する地域にも勇気を与えたことが評価されています。地方創生の成功例として注目されました。

支援総額370万1,023円
目標金額300万円
達成率123%
支援者数247人
実施時期2023年10月25日~11月30日
プラットフォームCAMPFIRE

6. 子どもたちへ本のプレゼントを(社会貢献)

Screenshot 83
引用:CAMPFIRE

クリスマスや誕生日を諦めた子ども達へ本を届ける「#ブックサンタ」応援プロジェクト

認定NPO法人が主催する「ブックサンタ」プロジェクトは、経済的理由などでクリスマスや誕生日プレゼントを受け取れない子どもたちに本を届ける取り組みです。2022年11月1日~12月25日にCAMPFIREで行われ、支援総額1358万7100円・支援者1981人を集めて目標達成に成功しました。

寄付型に近い社会的プロジェクトながら、一貫した理念のもと継続的にクラウドファンディングを活用し、全国の支援者から厚い支持を得ています。

これまでの活動報告で課題や使い道を丁寧に説明し、共感の輪を広げてきたことが成功要因であり、年々サンタとなって参加する支援者(=寄付者)が増えている点が特徴です。

支援総額1,358万7,100円
目標金額1,200万円
達成率113%
支援者数1,981人
実施時期2022年11月1日~12月25日
プラットフォームCAMPFIRE

7. 小さな映画館の奇跡の復活(文化・地域復興)

Screenshot 84
引用:CAMPFIRE

小倉昭和館 再建プロジェクト~まちの小さな映画館、奇跡の復活を夢見て~

北九州市で80年以上愛されてきた老舗映画館「小倉昭和館」が2022年に起きた大規模火災で焼失したことを受け、その再建資金を募るためのプロジェクトが立ち上げられました。館主の樋口さんと有志によるこのクラウドファンディングは、2023年3月20日~4月30日にCAMPFIREで実施され、支援総額4027万6444円・支援者2264人を集めて目標金額を大きく上回る結果となりました。

当初は「シネコン全盛の時代に小さな映画館の復活は無理だろう」と諦められていましたが、2万人近い署名や著名人であるリリー・フランキーさんらの後押しもあり奇跡の挑戦が実現。全国の映画ファンや地元地域から温かな支援が集まり、2023年12月19日に新しい昭和館が無事開館を迎えるまでに至りました。

クラウドファンディングが地域経済やエンタメ業界に希望をもたらした成功事例です。

支援総額4,027万6,444円
目標金額3,000万円
達成率134%
支援者数2,264人
実施時期2023年3月20日~4月30日
プラットフォームCAMPFIRE

8. 驚異の大ヒット財布プロジェクト(プロダクト・ファッション)

Screenshot 85
引用:Makuake

il modo Air 極薄長財布プロジェクト

滋賀県の革製品ブランド「STATUSY(ステータシー)」が2025年にMakuakeで実施した、極限まで薄さにこだわった長財布「il modo Air(イルモードエア)」の先行販売プロジェクトです。目標金額はわずか30万円に設定されていましたが、開始5日で1億円を突破し、最終的に約2億円・9,600人以上の支援者を集めました。この支援総額はMakuakeの財布カテゴリ史上最高記録となっています。

既に累計15万個以上売れている人気財布シリーズの最新作ということで開始前から注目度が高く、発売開始日に「最強開運日」が重なった話題性や、SNS拡散による“収納力を保ちながら驚くほど薄い長財布”という製品コンセプトの魅力が大きな支持を得た要因です。

支援者からは「理想の財布に出会えた!」といった声も多数寄せられ、商品力とマーケティング戦略が噛み合った成功例と言えます。

支援総額約2億円
目標金額30万円
達成率約6,766%
支援者数約9,600人
実施時期2025年(Makuake内)
プラットフォームMakuake

9. ベンチャー企業が挑んだ次世代バイク(テクノロジー・モビリティ)

glafit ハイブリッドバイク GFR-01 開発プロジェクト

和歌山発のスタートアップ企業「glafit(グラフィット)」が2017年にMakuakeで発表した世界初のハイブリッドバイク「GFR-01」は、目標金額300万円に対し支援総額1億2800万円超を集め、当時の国内クラウドファンディング最高記録を打ち立てました(達成率約4260%)。

この原付バイクはガソリンと電動モーターのハイブリッド駆動という革新的な製品で、多くのメディアにも取り上げられ話題となりました。プロジェクトオーナーの鳴海禎造CEOによれば、開始からわずか3時間で目標を達成し、その後も支援が殺到したとのことです。

大手メーカーではなくベンチャー企業が新製品を発表し直接ユーザーから資金と反響を得られるクラウドファンディングのメリットを象徴する成功例であり、glafit社はその後も2020年に電動スクーターで1億5400万円超、2024年には新型バイクで1億円超と、3度連続で1億円超の資金調達を達成しています。

支援総額約1億2,800万円
目標金額300万円
達成率約4,260%
支援者数非公開
実施時期2017年(Makuake内)
プラットフォームMakuake

10. アニメ映画を夢から現実へ(アニメ・映像)

Screenshot 86
引用:CAMPFIRE

映画「狂気山脈 ネイキッド・ピーク」本編制作プロジェクト

個人クリエイターの「まだら牛」さんが手掛けるオリジナルアニメ映画『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』の本編制作を目指したプロジェクトです。

2023年2月28日から5月14日にかけてCAMPFIREで実施され、目標8000万円に対して支援総額2億0176万9387円(達成率252%)・支援者数17,299人という快挙を成し遂げました。この支援額はCAMPFIRE全プロジェクト中歴代5位、支援者数は歴代3位に相当する規模です。

前年度に実施したパイロット版制作の初回クラウドファンディングでも目標比1500%超・1億円超を集めており、今回その勢いをさらに上回る結果となりました。「一人の夢がみんなの夢になった」と評価されるように、個人の熱意がこれだけ大きな渦を巻き起こし劇場版制作に結実した点が最大の注目ポイントです。

支援者からは「世界に通用する作品にしてほしい」という声援が数多く寄せられ、ファンと制作者が二人三脚で夢を追いかける近年稀に見る成功事例となりました。

支援総額2億176万9,387円
目標金額8,000万円
達成率252%
支援者数17,299人
実施時期2023年2月28日~5月14日
プラットフォームCAMPFIRE

まとめ

クラウドファンディングの国内成功例10選をジャンルごとにご紹介しました。プロダクト開発から地域復興、エンターテインメント作品まで、多種多様なプロジェクトがクラウドファンディングを通じて目標を達成し、新たな価値を生み出しています。

これらの成功事例に共通するのは、明確な目標熱意ある発案者、そしてその思いに共感した多くの支援者の存在です。それぞれのプロジェクトが支援者とのコミュニケーションや独自のアイデアで工夫を凝らし、資金調達だけでなくファンとの絆を深めています。

クラウドファンディングは単なる資金集めの手段にとどまらず、プロジェクトを応援するコミュニティづくり市場テストの場としても有効であり、今後も日本国内でますます活用が広がっていくことでしょう。

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編集部

ぜひこれら成功例を参考に、クラウドファンディングで新たな挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

FunFan
記事の執筆・編集
FunFan編集部

新しいアイデアが生まれ、多くの人の応援によって形になっていくクラウドファンディングの世界に魅力を感じ、このメディアを立ち上げました。「分かりやすさ」と「情報の質」を両立させることをモットーに、初心者向けの解説記事から、支援者・実践者それぞれに向けた具体的なガイド、そして編集部が厳選した注目のプロジェクト紹介まで、幅広くコンテンツをお届けします。クラウドファンディングを通じて、挑戦する人と応援する人の双方にとって、価値ある情報を提供できるよう努めてまいります。