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和歌山の梅を襲った歴史的災害を希望に変える若手農家の挑戦

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日本の食卓に欠かせない「梅」が、今、大変な危機に直面していることをご存知でしょうか。

2025年春、日本一の梅産地である和歌山県みなべ町を、過去に例のない雹(ひょう)が襲いました。氷の粒が降り注ぎ、梅の実は枝から激しく落ち、多くが深く傷つきました。この結果、産地全体の収穫量は平年比で約58%にまで落ち込み、日本の梅産業は存亡の危機に立たされています。

この深刻な状況に立ち向かうべく、「CAMPFIRE」でクラウドファンディングが立ち上がりました。

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編集部

伝統と地域文化を守るため、和歌山の若手梅農家たちが希望のプロジェクトに挑戦しています。

日本の梅産業の危機と新たなビジョン

今回の雹害による梅の大規模な被害は、2024年の凶作とも重なり、二年連続の異常事態をもたらしました。「国産梅存続の危機」という言葉が現実となり、梅干しや梅酒といった日本の伝統食が日常から失われるかもしれないという強い危機感が生まれています。

このプロジェクトの本質的な目標は、単なる雹被害からの救済にとどまりません。「農家が安定して収入を得られる仕組み作り」「日本の食文化の持続的な継承」に挑戦しています。

さらに、自然災害や病害虫にも負けない強い産地づくり、傷ついた梅や規格外品にも新しい価値を見出すという、今後の日本農業全体に通じる新たなビジョンを示しています。

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編集部

この挑戦は、農業の根本的な課題の解決、若者が農業に関心を持つきっかけづくり、そして地域社会の持続可能な発展にも直結しています。

若手農家「梅ボーイズ」の挑戦

本プロジェクトをけん引するのは、和歌山県みなべ町を拠点とする若手農家グループ「梅ボーイズ」

代表の山本将志郎さん(1993年生まれ)は、明治37年創業の梅農家に生まれ、北海道大学で学ぶ中で産地の高齢化担い手不足という現実に直面しました。「若者がやりがいを持てる農業を作りたい」と志し、2019年に無添加梅干し専門の事業を開始します。

梅ボーイズは昔ながらの塩と紫蘇のみで漬ける梅干しにこだわり、全国から新規就農希望者を迎え入れる独自の仕組みを構築。10名以上の若手農家が誕生し、3年目から自分の農園を持てる制度も導入されています。

SNSやYouTubeを活用した情報発信を通じ、梅干しの魅力や地域産業の価値を広く発信。2024年にはCAMPFIREアワードを受賞し、地域農業と伝統産業の革新的リーダーとして注目を集めています。

プロジェクトの独自性:傷梅に命を吹き込む新たなアイデア

創造的商品開発で廃棄ゼロへ

このプロジェクトの最大の特徴は、単なる資金調達にとどまらず、雹で傷ついた梅を徹底的に活用し、「廃棄されるはずの梅に新たな価値」を見出す点です。

主な取り組み

無添加「梅肉チューブ」

傷梅を丁寧にペースト加工し、無添加・国産・安心の梅肉チューブとして商品化。ご飯やおにぎり、肉料理、サラダ、ドレッシングなど、幅広い用途に応えられます。塩分控えめ、種なしで子どもにも安心。

新商品「お肉に合う梅調味料」「うめぼちっぷす」

有名料理家と共同開発した「お肉に合う梅調味料」や、天日干しの梅肉シート「うめぼちっぷす」など、健康志向やアウトドア層にも嬉しいラインナップ。保存性も高く、幅広い世代にアプローチできます。

発酵技術で生まれる新ジャンルの梅酒

米と共に発酵させた「まるで梅の日本酒」ともいえる新梅酒を開発。従来のリキュール型梅酒とは一線を画す、クラフト感あふれる限定品です。

従来は廃棄されていた傷梅や規格外品の「命の循環」を生み、フードロス削減持続可能な農業を両立しています。

地域農業の未来へ ― コミュニティ形成と人材育成

「梅ボーイズ」は、地域全体の若手農家も巻き込み、被害農家への還元、新規就農者支援、産地コミュニティの活性化にも取り組んでいます。今回の支援金は、新商品開発や設備投資だけでなく、若い担い手の育成日本全国への情報発信、次世代へ繋ぐ農業モデルの強化にも使われます。

資金の使い道とクラウドファンディングの目標

目標金額は300万円。集まった資金は新商品の開発・製造設備投資、原材料調達、傷梅の買い取りなどに活用されます。

クラウドファンディングは「All-In方式」で実施。目標金額に達しなくてもリターンが必ず届き、梅肉チューブや「うめぼちっぷす」などの開発・量産体制づくりに役立ちます。活動報告や現場の声も随時公開され、支援者が“伴走者”としてプロジェクトを見守れる仕組みです。

魅力的なリターン:支援者も「食」や「体験」で参加

支援額に応じ、さまざまな返礼品が用意されています。

梅肉チューブ

無添加国産梅ペースト。おにぎりや冷奴、肉料理、サラダ、和え物などに最適。

うめぼちっぷす

持ち運びやすい自然派おやつ。スポーツやアウトドア、仕事の合間にもぴったり。

梅肉調味料

南高梅と和歌山のぶどう山椒を組み合わせた新感覚調味料。肉・魚・野菜料理、パスタやサラダにも幅広く活用可能。

梅酢

健康ドリンクやピクルス、ドレッシングの隠し味として活躍。

梅エキス

古くから滋養強壮や健康維持に利用されてきた伝統のエキス。幅広い年代におすすめ。

醸造梅酒

発酵技術による新しい梅酒。限定リターンで一般販売前に体験できます。

一部のリターンには、プロジェクトの活動報告や限定イベント参加権も含まれており、現場の熱気や農家との繋がりを直接“体感”できるのも大きな魅力です。商品を家族や友人とシェアすることで支援の輪が広がります。

プロジェクトの反響:全国から寄せられる応援の声

開始からわずか数週間で、目標の約9倍となる2,700万円超の支援と5,600人以上の支援者が集まりました。

「YouTubeで梅ボーイズの活動を知り、ぜひ応援したいと思った」「新しい挑戦に勇気をもらった」「商品が届くのが楽しみ」など、共感の声や期待のコメントが多数寄せられています。

代表の山本さんは、集まった支援金の一部を被害農家への直接還元や、新規就農した若手農家からの傷梅の優先買い取りに充てることを表明。これにより単なる災害対策ではなく、地域農業全体の底上げを図っています。

全国の消費者や農業ファン、他地域の農家、フードロス対策団体、学生や企業など、多彩な層がプロジェクトに参加・応援しています。

ビジュアルと現場の熱意:SNS・動画発信の力

プロジェクトページやSNSには、美しい梅干しや傷ついた梅の写真、若い農家が畑で汗を流す様子、新商品の開発風景など、リアルなビジュアルが満載です。生産現場の空気や、農家の本音・ストーリーを伝える映像・写真が、支援したい気持ちをさらに後押ししています。

「SNSやYouTubeで現場の声を知り共感した」という支援者も多く、活動報告やライブ配信を通じて支援者と農家が一体感を持って取り組める仕組みも構築されています。

まとめ:支援が未来をつなぐ、日本の梅文化

伝統的な梅産業の危機に、若手農家が知恵と情熱、そして最新のアイデアで挑む本プロジェクト。その姿は多くの共感と応援を呼び、農業や地域社会の未来、そして次世代への希望をつないでいます。

一人ひとりの支援が、日本の農業や食卓、未来の子どもたちに受け継がれる文化を守る大きな一歩となります。

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編集部

ぜひ一度、プロジェクトページをご覧ください。梅ボーイズの挑戦に、あなたも参加してみませんか。

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