- 起案者向け
クラウドファンディングで大成功した国内プロジェクト10選を徹底紹介！ジャンル別に見る支援額と成功要因
2025.05.26
クラウドファンディングは、インターネットを活用して多くの人々から資金を集め、夢やプロジェクトを実現するための資金調達方法です。近年、この仕組みは企業だけでなく、個人でも利用できる身近な存在となっています。「やりたいことはあるけれど、資金面で諦めかけている」――そんな方々にとっても、クラウドファンディングは新たな挑戦の扉を開く力強い味方です。
この記事では、個人でも実践できるクラウドファンディングについて、購入型と寄付型の違い、始め方や主要なサービス、成功のコツ、リアルな事例、そして失敗から学ぶ注意点まで、わかりやすく徹底解説します。
初めての方も安心して読める内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
クラウドファンディングの種類：購入型と寄付型の違い
クラウドファンディングには大きく分けて「購入型」と「寄付型」の2タイプがあります。それぞれ目的や仕組みが異なるため、プロジェクトの内容に合わせて最適な型を選ぶことが大切です。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングは、支援者が資金を提供する見返りに、商品やサービスなどのリターンを受け取れるタイプです。購入型には「All-or-Nothing方式（目標額未達なら不成立）」と「All-in方式（集まった分だけ実行）」があり、どちらを選ぶかはプロジェクト内容によって決めます。
支援者にとって実際にリターンがあるため共感や応援を集めやすく、多くのプロジェクトで採用されています。その一方で、起案者は支援金に応じたリターンを確実に履行する責任が生じます。
ユニークな商品や体験をリターンとすることで、支援者と起案者が互いにメリットを享受できる「ウィンウィン」の関係を築きやすい点が特徴です。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングは、支援者が純粋な寄付として資金を提供し、リターン（見返り）は基本的にありません。お礼の手紙や活動報告など、非金銭的なお返しにとどまる場合がほとんどです。NPO法人や自治体による社会貢献プロジェクト（災害支援・チャリティー活動など）でよく利用されています。
物品やサービス提供がないため、集まった資金をプロジェクト自体に多く使えるメリットがあります。日本では寄付型の場合、起案者側は受け取った支援金を非課税で計上できるほか、支援者側が寄付控除の対象となる場合もあります。
リターンがない分、購入型よりも支援のハードルは高くなりやすいですが、プロジェクトの社会的意義や起案者の熱意をしっかり伝えることで共感を広げられます。
個人でクラウドファンディングを始める方法
実際に個人がクラウドファンディングに挑戦する場合、まずは信頼できるプラットフォーム選びからスタートします。日本では「CAMPFIRE（キャンプファイヤー）」や「Makuake（マクアケ）」などが代表的なサービスです。
このほかにも、社会貢献や寄付型に強い「READYFOR」、クリエイティブ分野に特化した「MotionGallery」、ガジェット系の「GREEN FUNDING」など、多様なプラットフォームがあります。
クラウドファンディング開始までの流れ
- プロジェクト企画と準備
- 何を実現したいのか、そのためにいくら必要か（目標金額）、なぜその金額が必要なのかを明確にします。購入型の場合は支援者へのリターン内容も計画しましょう。
各プラットフォームの利用規約や手数料、得意分野を確認し、必要に応じてAll-or-NothingとAll-inのどちらの形式にするかも検討します。
プロジェクトページに載せる画像や動画、紹介文の草案も用意しておくとスムーズです。
- サイトに登録してプロジェクト申請
- プラットフォームでアカウント登録を行い、プロジェクトの掲載申請をします。
タイトルやカテゴリー、詳細な説明文、目標金額、募集期間、リターン内容（購入型の場合）など所定の項目を入力します。
多くのサイトでは事前審査があり、必要書類（本人確認や銀行口座情報など）の提出も求められるので、指示に従って準備しましょう。
- プロジェクト公開と拡散
- 審査を通過するとプロジェクトがサイト上に公開され、募集が開始されます。
公開して「待つ」だけでは十分な支援は集まりません。公開と同時に積極的な告知・宣伝活動が必要です。
- 支援募集期間中の活動
- SNS（X〈旧Twitter〉やInstagram等）やブログ、知人への連絡などあらゆる手段でプロジェクトの情報発信を続けましょう。
支援者から寄せられるコメントや質問には丁寧に対応し、進捗状況も適宜報告します。「現在○%達成、あと○円で目標達成」といった途中経過の共有は、支援を検討している人の背中を押す効果があります。
あらかじめ友人知人やコアな支援者に協力をお願いし、スタートダッシュで一定額を集めて勢いをつけることも大切です。公開直後の盛り上がりが後の成功に大きく影響します。
- プロジェクトの実行とリターン履行
- 集まった資金を使って計画していたプロジェクトを実行に移します。支援者には、プロジェクトの進行状況や成果を適宜報告しましょう。
購入型の場合、約束したリターンを支援者に届けることがゴールです。
リターンの発送時期が遅れそうなときは事前に事情を説明するなど、誠意ある対応が必要です。
- 終了後のフォロー
- 募集が終了したら、支援してくれた方々へ感謝のメッセージと結果報告を行います。All-or-Nothingで未達だった場合でも、「今回は目標に届かなかったが、応援してくれたことへのお礼」と今後への抱負を伝えることで、支援者との縁を大切にできます。
支援者との関係構築はプロジェクト後も続きます。今後の活動報告をSNSやメールで共有したり、コミュニティを作って交流を続けたりすることで、あなたのファンになってくれた人々とのつながりを維持しましょう。
支援を集めるためのプロジェクト設計と告知のコツ
クラウドファンディングを成功させるには、プロジェクト設計や情報発信に工夫が必要です。特に個人の場合は「なぜこのプロジェクトをやるのか」「どんな未来を目指すのか」という熱意と理由をしっかり伝えることが重要です。
明確な目的と熱意の伝達
なぜそのプロジェクトをやるのかという実施理由や目標を明確に説明しましょう。個人の場合は企業に比べて知名度や信用力が低いため、支援者は「この人のプロジェクトならば出資したい」と思えるかどうかを重視します。起案に至った背景や実現したい世界、プロジェクト達成後の展望まで具体的に語ることで、共感や応援したい気持ちを引き出せます。
後述のビリヤニ専門店の事例では、「なぜビリヤニに情熱を注ぐに至ったか」「開店後どのような店にしたいか」を丁寧に語り、多くの人の心を動かしました。
「なぜそれをやりたいのか」をしっかり伝えることの大切さを示す好例と言えるでしょう。
適切な目標金額と使途の提示
目標金額は高すぎても低すぎても問題です。必要最低限の額を算出し、内訳（設備費○○円、人件費○○円、リターン発送費○○円など）を示すと信頼感が増します。
目標額の根拠を説明することで、「なぜその金額が必要なのか」が支援者に伝わりやすくなります。寄付型であれば全額を活動に使う旨を、購入型であれば一部を製品化の準備に、一部をリターン制作発送に充てるといった計画を明示しましょう。
魅力的で無理のないリターン設計
購入型の場合、リターン（お返し）の内容は支援を集める重要な要素です。支援者にとって魅力的な商品や体験を用意できれば、多くの支援を得られるでしょう。
ただしリターンの設定金額と内容は慎重に検討してください。たとえ目標を達成してもリターン実施コストで赤字になる恐れがあります。実際に「手作りの製品を特別価格で提供した結果、想定以上の注文が入り、製造コストや送料の負担で利益が出なくなってしまった」という失敗例もあります。
原価や送料、プラットフォーム手数料を踏まえて採算が取れるリターン設定をしましょう。また、リターンは金額別に複数用意し、気軽に支援できる少額のものから高額支援者向けの特典までバリエーションを持たせるのが一般的です。
写真・動画などビジュアルの質
プロジェクトページに掲載する写真や動画は、テキスト以上に目を引き支援意欲を左右します。「ビジュアルは最大の営業マン」という言葉があるほどです。商品の魅力が伝わる綺麗な写真や、起案者本人が登場して思いを語る動画など、伝えたい雰囲気に合った高品質なビジュアル素材を用意しましょう。
画像が粗かったり映像の出来が悪かったりすると、それだけでプロジェクト全体の信頼性が損なわれてしまいます。スマートフォンでも工夫次第で綺麗な写真は撮れますが、可能であればプロのカメラマンや映像制作者に協力してもらうのも一案です。
情報発信と宣伝の戦略
プロジェクト公開後は積極的なPR活動が欠かせません。SNSでの発信はもちろん、知人への直接のお願いや、関連コミュニティでの告知など、ありとあらゆる手段を使いましょう。「そのうち誰かが見つけてくれるだろう」と受け身で構えていては目標達成は難しいです。
特に開始直後の数日間は勝負ですので、スタートダッシュ期間に集中的に投稿やシェアを行い、一気に支援を集める勢いをつけてください。
ただ熱い想いを語るだけでは人は動きません。「支援者にとって何が得か」を明確に示すことを意識しましょう。
支援者とのコミュニケーション
支援者からのコメントにはできるだけ早く返答し、感謝の気持ちを伝えましょう。また、日々の進捗報告や活動の裏側を共有することで支援者との一体感が生まれ、追加支援や周囲への紹介につながることもあります。
個人のプロジェクトでは、支援者との信頼関係構築が特に重要です。丁寧かつ誠実な対応を心がけ、「この人を応援してよかった」と思ってもらえるよう努めましょう。
実際の成功事例から学ぶ
実際に個人がクラウドファンディングで資金調達に成功したプロジェクトの例を見てみましょう。成功事例からは多くのヒントを得ることができます。
ビリヤニ専門店をオープン
東京・神田にビリヤニ（インドの炊き込みご飯）専門店を開く資金を募ったプロジェクトです。20代の起案者大澤さんは、学生時代にビリヤニと出会って衝撃を受け、その美味しさを広めたい一心で独立開業を決意しました。
プロジェクトページではビリヤニへの熱い想いや開店へのビジョンを余すところなく語り、スパイス香るビリヤニの写真もふんだんに掲載しました。その結果、目標500万円に対し約1,359万円（達成率271%）もの支援金を集める大成功を収めました。支援者数は963人にも上り、2021年7月に無事お店をオープン。以後も繁盛を続け、2023年には2周年を迎えることができたそうです。
この事例は、「なぜそれをやりたいのか」を伝えることの大切さと、共感を呼ぶストーリーの力を示しています。
古い牛舎をコワーキングスペースに再生
宮崎県えびの市にある築80年の古い牛舎をリノベーションして、地域の人々や高校生が集えるコワーキングスペースを作るプロジェクトです。起案者は地元で移住支援のYouTubeチャンネルを運営する個人で、高校生の有志グループと協力して地域活性化に取り組みました。
地方の過疎化した牛舎をおしゃれな交流拠点に生まれ変わらせるというユニークな発想と、地元愛あふれる取り組みが支持され、目標100万円に対し約193万円を達成（達成率193%）。支援者は136名に上り、プロジェクト開始から1ヶ月足らずで目標を突破したためネクストゴール（次の追加目標）も設定されました。
完成後の利用イメージを具体的に示す図やリノベーション前の牛舎内部の写真を数多く公開し、地域の現状や高校生グループの活動内容も紹介するといった工夫がなされています。完成後のビジョンを支援者にリアルに想像してもらう演出や、地域に根ざした意義のアピールが功を奏した好例と言えます。
いずれの成功例も、共通して「明確な目的と情熱」「魅力的なリターン設定」「綿密な準備と発信」を実践している点が参考になります。
クラウドファンディング失敗事例に学ぶ注意点
失敗事例からも貴重な教訓を得ることができます。クラウドファンディングには残念ながら上手くいかなかった例も多く、その原因は様々です。いくつかの失敗例から、共通する落とし穴を見てみましょう。
アイデアだけで中身が伴わない
「いつか自分の店を持ちたい」という漠然とした構想だけでプロジェクトを立ち上げたところ、目標50万円に対して支援額はわずか2,000円と惨敗したケースがあります。
この失敗理由は、ビジョンを語るだけで具体的な計画や提供価値が示されず、支援者にとってのメリットも見えなかったためです。準備不足のまま「とりあえず始めてみた」状態では共感は得られないという教訓です。
リターン設計ミスで赤字に
手作りの革財布を格安で提供するリターンを設定したところ予想以上の注文が集まり、目標100万円に対して110万円を集めたものの、製造コストと送料の見積もりが甘く結果的に全てのリターンが赤字になってしまった例もあります。
このケースでは、せっかくプロジェクト自体は成功しても利益が出ないどころか持ち出しとなり、起案者にとって大きな痛手となりました。リターン価格の設定やコスト試算の重要性がよくわかる事例です。
宣伝不足で支援が集まらない
大学生のグループがイベント開催の費用を募ったプロジェクトでは、SNSアカウントを作ったもののほとんど情報発信をせず、メディアへの露出も皆無だったため、目標30万円に対して5,000円しか集まらなかった例があります。
知人だけに頼って「誰かが見つけてくれるだろう」と受け身でいたのが敗因で、クラウドファンディングでは自ら積極的に広報しなければ支援の輪は広がらないことを示しています。
プロジェクト完了後にトラブル
目標150万円を集めて成功したものの、その後のオリジナル商品の納品が大幅に遅れ、支援者から苦情が殺到して炎上してしまった事例もあります。
このように、クラウドファンディングは達成して終わりではなく、その後の責任まで含めて初めて「成功」と言えます。プロジェクト終了後のフォローや誠実な対応がいかに大切かを痛感させられるケースです。
これらの失敗例に共通するのは、「準備と戦略の欠如」です。クラウドファンディングは決して簡単な資金調達手段ではなく、思いつきや楽観的な見通しで始めてもうまくいかないことが分かります。「なぜ失敗したのか」を分析し、次のチャレンジに活かすことが大切です。
実際、多くの“クラファン成功者”も最初の挑戦では失敗しています。失敗を糧に改善を重ね、再挑戦して夢を実現させた人も少なくありません。失敗を恐れず、事前にリスクを把握して対策を講じることが、クラウドファンディング成功への近道でしょう。
まとめ：個人の挑戦を応援するクラウドファンディング
クラウドファンディングは、資金不足で諦めかけていた個人の挑戦に光を当て、多くの共感者から支援を募ることができる素晴らしい仕組みです。購入型と寄付型という2つのタイプを理解し、適切に使い分けることであなたのプロジェクトに合った資金調達が可能になります。
この記事で紹介したように、個人でもできるクラウドファンディングを成功させるには、入念な準備と熱意を伝える努力、そして支援者とのコミュニケーションが不可欠です。
ぜひ今回の情報を参考に、あなたもクラウドファンディングにチャレンジしてみてください。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、明確なビジョンと周到な計画さえあれば、きっとあなたの想いに賛同してくれる仲間が現れるはずです。
あなたの夢の実現に向けて、一歩踏み出してみましょう！
- 記事の執筆・編集
- FunFan編集部
新しいアイデアが生まれ、多くの人の応援によって形になっていくクラウドファンディングの世界に魅力を感じ、このメディアを立ち上げました。「分かりやすさ」と「情報の質」を両立させることをモットーに、初心者向けの解説記事から、支援者・実践者それぞれに向けた具体的なガイド、そして編集部が厳選した注目のプロジェクト紹介まで、幅広くコンテンツをお届けします。クラウドファンディングを通じて、挑戦する人と応援する人の双方にとって、価値ある情報を提供できるよう努めてまいります。
